谷口 雅章
研究代表者
国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構・生物機能利用研究部門・上級研究員
David Gamarra
研究代表者
国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構・生物機能利用研究部門・上級研究員
研究概要
ニホンイノシシ(Sus scrofa leucomystax)およびリュウキュウイノシシ(Sus scrofa ryukyuanus)は、それぞれの環境変化に適応して、独自の系統分化により集団を形成してきました。ブタの家畜化は、現在よりおよそ10,500~8,000年前頃までにユーラシア大陸の複数地域において開始されたと推定されていますが、日本列島では、先史時代における大陸からのブタ導入の可能性、および、ニホンイノシシの家畜化の兆候をうかがわせる報告があるものの、永続的な家畜化には至りませんでした。また、ニホンイノシシ・リュウキュウイノシシの系統分化に関して不明点も残っています。そこで、本研究では、ニホンイノシシ・リュウキュウイノシシのリファレンスゲノム構築を実施します。ニホンイノシシ・リュウキュウイノシシは、それぞれの生息地に存在した集団がそのまま維持・定着したものか?あるいは、アジア大陸に由来する系統を一部に引き継いでいるのか?について、ニホンイノシシ・リュウキュウイノシシそれぞれに特有のゲノム上の特徴を判別することにより手がかりを得ます。