石谷 孔司
研究代表者
金沢大学・サピエンス進化医学研究センター・助教
研究概要
本課題では、試料中に存在するヒトを含めた考古生物の遺伝情報を網羅的かつ高精度に取得可能なメタゲノム解析技術を開発します。メタゲノム解析とは、試料中に含まれる様々な生物由来のDNAをまとめて解析する方法です。メタゲノム解析では、16SリボソームRNA遺伝子等を対象に解析されることが多いですが、この方法では種レベルの正確な同定は難しく、さらに近縁種間での古代DNAの評価も困難です。また、遺伝子領域を定めずに網羅的にゲノムDNAを分析するショットガンシーケンスにおいても検出された生物種の系統的な解釈には困難を要します。本課題では、取得されたメタゲノムに対して網羅的に古代DNAの評価を行うことで、真に古代由来のDNAを特定し、得られたDNAが系統的に妥当であるかを含めて分析する技術を開発します。この技術を利用することで、考古試料群から主対象の遺伝情報の分析だけでなく、当時の周辺環境や衛生状態等を反映した複合的な古生物相の復元等にも貢献していきたいと考えています。