佐宗 亜衣子

研究代表者
新潟医療福祉大学・自然人類学研究所・助教

研究概要

 本研究では、三浦半島の海蝕洞穴にある毘沙門洞窟遺跡群から出土した人骨の骨考古学的研究を通して、関東における縄文系集団から渡来系集団への変換期の様相の一端を明らかにしたいと考えています。これらの出土人骨について、1)形態分析とDNA分析により系統的な背景を調査する、2)虫歯や歯周病などの口腔衛生状態や骨に残る生活痕の調査や安定同位体分析により、生活形態を明らかにする、3)発掘記録の読解や人骨のタフォノミー的分析、年代測定により埋葬形式を分析する、という3つの視点から研究を進めていきます。このように、骨考古学的研究と理化学分析、考古学的情報を融合させることで、三浦半島の海岸部地域で縄文系と渡来系がどの様に交わっていたのかについて、議論の土台となる情報を提示したいと考えています。