中村 大

研究代表者
立命館大学研究部・衣笠リサーチオフィス URA (University Research Administrator)

経済や文化など社会の各方面に影響を与える人口動態の推定は、人類史の理解に必要な研究です。この班では、1980年代に算出された縄文時代の推定人口をアップデートするとともに、弥生時代以降の人口推定にも取り組みます。将来的には古代以降の歴史人口学の成果と接続し、約1万年間の日本列島における人口動態史の更新をめざします。超長期的な人口動態研究の成果は、1800年代後半から始まった人口の大変動期のただ中にある現代の人口問題を考えることにも役立つはずです。

班員(研究分担者)と担当研究テーマ

  • 河合洋介(国立国際医療研究センター・副プロジェクト長):ゲノム分析による人口動態のコンピューター解析
  • Noxon Corey Tyler(立命館大学・立命館グローバル・イノベーション研究機構・研究員):人口推定および移動性の評価
  • 山口雄治(岡山大学・文明動態学研究所・助教):西日本における人口動態の分析・バイアス評価
  • 高瀬克範(北海道大学・文学研究院・教授):東日本における人口変動と資源利用の分析

研究概要

 本研究班は、考古データ(遺跡・遺構・遺物)、人骨データ(形質・ゲノム)、環境データ(陸域・水域)をもとに、縄文時代を中心とした先史時代における人口の時間的・空間的な動態を実証的に解明することを目指します。考古学的手法と自然科学的手法を融合させ、多様なデータと定量的な解析手法、複数の推定結果の比較により、総合的で信頼性の高い先史人口動態の復元を行います。また、人口推定に影響を及ぼす各種のバイアスについて軽減方法を提案するなど、間接的人口データを用いた人口推定に関する体系的方法論を構築していく予定です。本研究班は、日本列島における先史人口動態を解明することでB班全体の研究テーマである「日本列島域における先史人類の拡散と地域性の解明」の一端を担うことになります。それとともに、人口と社会文化(居住様式、儀礼祭祀)および環境適応(資源の利用や改変)との相互影響関係を統合的に復元することにより、新たな学問領域であるintegrative bioarchaeology(統合生物考古学)の構築に貢献したいと考えています。