木村 亮介

研究代表者
琉球大学・医学研究科・教授

琉球列島は、独自の歴史と文化を有しています。B03班では、考古学・人類学・言語学による最先端研究の知見を融合して、更新世から現在にかけての琉球列島におけるヒト集団の形成史を明らかにしたいと考えています。

班員(研究分担者)と担当研究テーマ

  • 松波雅俊(琉球大学・医学研究科・助教):ゲノム解析
  • 竹中正巳(鹿児島女子短期大学・生活科学科・教授):考古学的調査および古人骨形態解析
  • 山崎真治(沖縄県立博物館・美術館・主任学芸員/琉球大学・医学研究科・客員研究員):考古学的調査

研究概要

 本計画研究では、ゲノム解析をはじめとする最先端の理化学的解析を駆使して、琉球列島における集団および文化の形成史を網羅的に解き明かすことを目的としています。そのために、他の計画研究班とも協力しながら、1)琉球列島およびその周辺における先史考古遺跡の新たな発掘、2)同位体分析やX線分析による考古遺物の分析、3)従来の動植物遺存体の検出に加え、DNA分析による動植物の検出および種同定、4)古人骨CT画像の幾何学的形態解析による時代間および地域間の比較、5)琉球列島の島々に由来する現代人ゲノムデータおよび古人骨ゲノムデータの集団遺伝解析、6)言語を用いた集団間の近縁性の解析を推進していきます。以上の分析の結果を統合して考察することにより、integrative bioarchaeology(統合生物考古学)の構築に貢献しながら、新たな琉球列島の集団史観を確立したいと考えています。