新里 貴之

研究代表者
沖縄国際大学・総合文化学部・准教授

研究概要

 私は、これまで琉球列島の貝塚時代(縄文時代~平安時代)の研究を実施してきました。土器編年研究から開始し、その様式構造と地域間関係、そしてその背景について、黒曜石、ヒスイ、貝製品、石器、鉄器、青銅製品、銭貨、ガラス玉などを用いて、交流・交易活動の時期的変遷や、先史時代の葬墓制研究を行ってきました。近年では、琉球列島のなかでも最小規模の島嶼であるトカラ列島において、発掘調査や分布調査結果をもとに、地域的特性を捉える基礎作業を実施しています。
 私はこの公募研究で、沖縄の洞穴遺跡の人類史調査・研究を実施します。20年以上在籍した鹿児島大学埋蔵文化財調査センターでは、鹿児島の旧石器時代遺跡を調査することはありましたが、今回、文化様相の異なる沖縄で、初めて旧石器時代(後期更新世)の調査研究に携わることになります。現在、約3万年前の層まで到達していますが、学変研究・統合生物考古学の構築に貢献できるよう、島嶼部の人類史研究に資すべきデータを蓄積するため、計画研究の先生方のお力を借りながら、様々な分析にも取り組む予定です。

大隅諸島馬毛島の調査
トカラ列島臥蛇島の調査